大規模修繕に潜む“談合”のリスク──住民が知っておきたい、業界の現実と対策
投稿日:2025年4月24日

マンションの大規模修繕工事といえば、10数年ごとに行われる高額な工事。住民の大切な修繕積立金を使って行われるこの工事には、建物の安全・快適性を保つだけでなく、資産価値の維持にも直結する重要な意味があります。
しかし、近年では「談合」が関与した事例がたびたびニュースに取り上げられ、マンション住民の間でも不安が高まっています。2025年4月には、東京都内の大手設計事務所が関与したとされる談合問題が大きく報道され、改めて「透明性ある修繕工事の必要性」が問われるようになりました。
目次
談合とは?なぜ問題なのか?
談合とは、本来競争入札で公平に決められるはずの発注先や価格を、特定の業者同士が事前に取り決めてしまう行為を指します。これにより、実際の工事価格が適正な相場よりも高くなる可能性があるだけでなく、本来受注のチャンスがあった他社が排除され、競争原理が働かなくなります。
特にマンションの修繕工事では、住民自身が技術的な判断や価格の妥当性を見極めることが難しく、管理組合が設計コンサルタントに一任してしまうケースが少なくありません。そのコンサルタントが特定の業者と結託していた場合、不正な受注や過剰な見積がそのまま通ってしまう可能性があるのです。
設計事務所が関与するケースも
先述の報道では、設計事務所が業者の選定や見積価格の調整に関与していた可能性が指摘されています。設計者は本来、中立的な立場で品質とコストをチェックする立場にありますが、その設計者が特定の業者と癒着していた場合、透明性が損なわれるだけでなく、住民の利益が大きく損なわれます。
談合が横行していると、「不要な工事」「過剰な仕様」「割高な単価」といった形で修繕費用が水増しされる可能性も。結果として、本来必要であった別の修繕が先送りになったり、住民の費用負担が無駄に大きくなってしまうのです。
住民ができる3つの対策
-
複数社への相見積もりを徹底する
談合の温床となるのは「入札に参加する業者が絞られている」状態。管理会社任せにせず、住民側でも2〜3社以上の見積を比較する体制を作ることが重要です。
-
外部の専門家による“セカンドオピニオン”を活用する
設計・工事内容・単価の妥当性を、中立の立場からチェックしてくれる外部専門家を活用することで、談合のリスクや不要な工事の見落としを防ぐことができます。
-
管理組合内でのチェック体制の強化
修繕委員会を立ち上げ、建築や設備に詳しい住民を中心に、透明性あるプロセスの実施を求める姿勢を持ちましょう。定期的に業者との打ち合わせ内容や見積内容を住民に公開することも大切です。
A.t.oathの「見積査定サービス」で安心を
弊社A.t.oathでは、マンション修繕やリフォーム工事における見積の妥当性を第三者の立場でチェックする「見積査定サービス」を提供しています。
-
中立の建築士や施工管理技士が内容をチェック
-
曖昧な「一式表記」や相場外の単価を精査
-
必要に応じて、工事業者への代理説明も対応
透明性の高い修繕計画の実現に向け、A.t.oathは住民の皆様の不安に寄り添い、公正なアドバイスとサポートをお約束します。
「この見積、ちょっと高い気がする…」「仕様がよくわからない…」と感じたら、まずはお気軽にご相談ください。