外壁塗装の見積で絶対チェックすべき5項目-現役一級建築士が解説
投稿日:2025年8月7日

外壁塗装の見積書を見て「これって適正価格?」「何をチェックすればいいの?」と悩んでいませんか?
外壁塗装は高額な工事である一方、見積の内容が分かりにくく、業者によって大きく金額が異なることも珍しくありません。実際に弊社にご相談いただく査定案件でも、外壁塗装は特に「一式」表記が多く、内容の不透明さに不安を感じる方が多い工事です。
そこで今回は、外壁塗装の見積で必ずチェックすべき5つのポイントを、一級建築士の視点から詳しく解説します。
目次
1. 塗装面積の算出根拠が明記されているか
なぜ重要なのか
外壁塗装の費用は「塗装面積×単価」で決まるため、面積の算出が工事費の基礎となります。しかし、この面積計算が曖昧な見積が非常に多いのが現実です。
チェックポイント
- 建物の寸法が記載されているか
- 外周の長さ
- 各面の高さ
- 開口部(窓・ドア)の控除面積
- 計算式が示されているか
例:外壁面積 = (外周長さ × 高さ)- 開口部面積
北面:15m × 8m = 120㎡
東面:10m × 8m = 80㎡(窓控除 8㎡)= 72㎡
要注意パターン
❌ 「外壁塗装一式:○○万円」
❌ 「塗装面積:約150㎡」(根拠不明)
⭕ 「外壁面積:143.5㎡(計算書別紙)」
2. 使用塗料の詳細仕様が明確か
なぜ重要なのか
塗料は外壁塗装費用の大部分を占め、性能・耐久性に直結します。「高級塗料使用」といった曖昧な表記では、実際に何が使われるか分かりません。
チェックポイント
- 塗料メーカー名と商品名
- 例:日本ペイント「ファインパーフェクトトップ」
- 例:関西ペイント「アレスダイナミックTOP」
- 塗料のグレード
- シリコン系
- フッ素系
- 無機系
- 遮熱・断熱系
- 塗装回数(何回塗りか)
- 下塗り:○○(プライマー名)
- 中塗り:○○(塗料名)
- 上塗り:○○(塗料名)
要注意パターン
❌ 「高品質シリコン塗料」
❌ 「長寿命塗料一式」
⭕ 「日本ペイント ファインパーフェクトトップ(3回塗り)」
3. 足場費用の内訳が詳細に記載されているか
なぜ重要なのか
足場費用は外壁塗装費用の約20-25%を占める重要な項目です。ここが「一式」になっていると、他の工事費に上乗せされている可能性があります。
チェックポイント
- 足場の設置面積
- 例:足場面積 180㎡(建物周囲 + 作業スペース)
- 足場の種類と単価
- 単管足場:○○円/㎡
- システム足場:○○円/㎡
- 付帯項目
- 養生シート代
- 足場組立・解体費
- 運搬費
適正価格の目安
- 足場費用:600-1,200円/㎡
- 養生費:100-300円/㎡
4. 下地処理の範囲と方法が具体的か
なぜ重要なのか
下地処理の良し悪しが塗装の耐久性を左右します。手抜きされやすい部分でもあるため、見積段階での確認が重要です。
チェックポイント
- 処理方法の明記
- 高圧洗浄:水圧・時間
- ケレン作業:範囲・グレード
- シーリング打ち替え:箇所数・材質
- 劣化状況に応じた処理
- ひび割れ補修:エポキシ樹脂注入
- 爆裂部補修:断面修復工法
- カビ・藻除去:専用洗剤使用
要注意パターン
❌ 「下地処理一式」
❌ 「清掃・ケレン込み」
⭕ 「高圧洗浄 150気圧・2時間、3種ケレン 50㎡」
5. 保証内容と期間が明文化されているか
なぜ重要なのか
外壁塗装は完成後の品質確認が難しく、数年後に問題が発覚することがあります。明確な保証があることで、安心して工事を依頼できます。
チェックポイント
- 保証期間の明記
- 塗装工事:5-10年
- 防水工事:3-5年
- シーリング:3-5年
- 保証内容の詳細
- 塗膜の剥離・変色
- 防水性能の低下
- シーリングの劣化
- 保証書の発行有無
- 工事完了後の保証書発行
- 定期点検の実施
【実例】査定で発見された問題事例
弊社で実際に査定した外壁塗装見積での問題例をご紹介します:
ケース1:面積水増し
- 提示面積:180㎡
- 実測面積:150㎡
- 過剰請求額:約45万円(30㎡ × 1.5万円/㎡)
ケース2:不要工事の追加
- 問題点:まだ劣化していない付帯部の塗装を含む
- 削減額:約30万円
ケース3:高額塗料の押し売り
- 提案塗料:無機系塗料(高額)
- 適正塗料:シリコン系で充分
- 差額:約25万円
まとめ:見積チェックで安心の外壁塗装を
外壁塗装の見積で確認すべき5つのポイントをおさらいします:
- 塗装面積の算出根拠 → 計算式と寸法の確認
- 使用塗料の詳細仕様 → メーカー名・商品名・回数
- 足場費用の内訳 → 面積・単価・付帯項目
- 下地処理の範囲と方法 → 具体的な処理内容
- 保証内容と期間 → 明文化された保証書
これらのポイントを確認することで、適正価格での外壁塗装工事が可能になります。
「見積に不安を感じたら」プロの第三者チェックを
もし見積内容に不安を感じたり、「一式」表記が多くて判断できない場合は、建築の専門家による第三者チェックをお勧めします。
弊社では一級建築士が、業者とは無関係な中立な立場で見積の妥当性を診断。多くのお客様が適正価格での工事発注を実現されています。
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